トタン板を併用したフェンスについて
長野県中野市の地区の方々が飯綱町の獣害対策のトタン併用フェンスの研修を行いました。
中野市は近年シカも増えてきて対策に苦慮しているようです。
弊社が設計したトタン併用フェンスを見て、防除効果、設置のしやすさ、積雪時の耐久性に感心されていました。
たまたま市役所へ職場体験にきていた中野市の中学の生徒さんも来ていて興味をもって見学していました。
【トタン併用フェンスの特徴】
・トタンの目隠し効果によって防除効果が高くなり、金網を壊される心配が少ない。
(特にイノシシへの効果大)
・金網と比べ、トタンは下草が絡まらないので除草作業が簡単である。
・トタンの厚さは既製品(0.19㎜)よりも厚く(0.27㎜)、高さが80cmある特注品。
(幅は220㎝)
・景観の為、トタンの片面をダークブラウン(保護色)にしている。
・金網部は網目横幅50㎜の物を用いている為、電気柵の機能追加を行えばサルへの対応も可能。
・トタンが破損しても、破損部分のみを交換すれば良いので補修が容易にできる。
・支柱は、通常の鋼管に比べ折れにくい特殊スプリング鋼ポストを使用している。
・上部にシカの飛び込み防止用ワイヤーを二段架線している。
設置費用(直線部)
・フェンス資材 1m単価 約3,500円(門扉は別途)
・施工人工(1km) 約140人工
備考
・施工は地元住民で行い、作業日数は一週間程。(緩衝帯整備は別)
・施工を住民で行う事で使用部材や方法を熟知でき、その後の管理や補修が地域主導で行える。
・専用の打込み具を使うことで高所作業が無くなりより安全な設置が行える。
・上部のワイヤーは、防除効果の他に倒木や枝折れからフェンスを守る働きがある。
・コーナー部・出入口の支柱は、ドブメッキ処理の単管パイプを使用。
・耐久性に優れ耐用年数は14年以上。(維持管理は必要)
地域は自分たちで守るという、強い意識を感じます。
トタン板は太陽熱を吸収し、フェンス部の雪を溶かします。メッシュ柵は埋もれたまま。
様々な仕様のフェンスを設置し試験した結果、強度、耐久性、設置方法を考慮し、トタン板併用フェンスを採用していただきました。(このあたりの積雪は 60~70cm程だと思います。)
フェンス上部にフェンシングワイヤーを張ることで、倒木からフェンスを守る効果があります。
雪崩発生 修繕前
勾配地の雪崩が発生した際も、トタン板が外れ大きな破損になりにくい。
雪崩修繕後 地域で修繕が行えます。
トタン板の固定は、柱(ステイプルロックポスト)に異形鉄筋で挟んで固定するので簡単です。
ここ飯綱町は、しっかり獣害対策を考慮し、その場所や環境にあったフェンスを採用することで、被害も激減した素晴らしい地域だと思います。
トタン併用フェンスの衝撃吸収力!